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イタリアには各地方色豊かな料理が存在しますが、ドルチェ(デザート、甘いもの)についても同様です。
ヴェネツィア独特の細い小路に立ち並ぶお菓子屋さんの店先を見ていると、ショーウインドウに大ぶりな焼き菓子が山のようにと積まれている光景に気づかれることでしょう。 一般的にドルチェ自体はパンから進化したものといわれています。 イタリアでも大昔は砂糖がなかったので、アジアから砂糖やスパイスなどが運ばれてくるようになってドルチェの歴史も始まります。 その発祥は「ヴェニスの商人」によるもの。 十字軍の時代にそれらが伝わりはじめ、ヨーロッパとの貿易が開始されると、彼らによって芸術文化はもちろん、こういった食材や食文化も広く普及したのです。 その昔の華やかな商人の街、ヴェネツィアで食されていたお菓子とは?? 代表的なものに、ビスケット・クッキーの一種「Zaeti/ザエッティ」があります。 ここヴェネト州は、トウモロコシの粉(ポレンタ)を食す習慣がありますが、これもトウモロコシ粉で仕上げるお菓子。 ザエッティの名前は、トウモロコシ粉を使うため仕上がりが黄色くなることに由来しています。 イタリア語の黄色にあたる「giallo(ジャッロ)」→「gielletto(ジャレット)」→「zaeti(ザエッティ)と変化してきたといわれています。 材料はトウモロコシの粉、小麦粉、卵、砂糖、香りのエッセンス。 仕上がりはかなり固めでひし形もしくはS字型が特徴の素朴な感じのする焼き菓子です。 この「ザエッティ」とよく似ている焼き菓子が「Bussolai/ブッソライ」。 形はたいてい中心に穴のあいたドーナツ型をしています。 これもザエッティ同様、かたいボソボソ感のある焼き菓子。 そして、「Baicoli/バイコリ」。 上記の2種と同様、「ビスコット」に分類されます。 *ビスコットとは、「ビス=2回」、「コット=焼く」という意味の2つの単語から成り立つ言葉なので、本来はオーブンで2度焼きした焼き菓子のことを呼びます。私たちの感覚からするとビスケット、クッキー類全般のことと受け取りがちですね。 「バイコリ」は、正真正銘、製造工程で2度焼きをする「ビスコット」です。 この仲間としてトスカーナの焼き菓子「カントゥッチョ」もありますが「カントゥッチョ」のほうが荒々しい感じがします。「バイコリ」はそれに比べると、かなり生地がきめ細やかな仕上がりです。 加える砂糖も控えめで、パンとクッキーの合いの子のような感じ。 *お菓子屋さんの店先。上段の黄色い缶はバイコリの代表的なメーカーのもの。 ヴェネツィアではよくザバイオーネの添え物や甘いワイン、モスカートなどと一緒に供されます。 長時間オーブンでじっくり焼き上げるため非常に保存性も高く、その昔は長い航海用の保存食兼ドルチェとしても重宝されていました。 この「バイコリ」という名前も少し変わった響きに感じますが、これもヴェネツィアならでは。 小さな魚のスズキに形が似ていたことから、ヴェネツィアの方言でスズキを指す「バイコリ」という名前で呼ぶようになったとか。 これらの焼き菓子は見た目には物静かで地味な感じ、とても素朴な存在ですが、「その昔、海港商業で発達したヴェネツィアの貴族たちも供していたのねぇ」と思いを馳せるとなんともエキゾチックな気分。 焼き菓子はたいてい量り売りされているので、焼き菓子の並ぶお菓子やさんにふらっと立ち寄り、ひとつふたつと試し買いして、お菓子をかじりながら運河の街ヴェネツィアをそぞろ歩き、なんていうのも旅の楽しさのひとつですね。
by his-news
| 2007-09-12 09:30
| AKI.S
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